資産価値の下落と管理不全状態

非常事態になることは極めて稀だから、こうした災害時のリスクを確認したうえで購入すればよいという考え方もあります。
「大手企業関連の管理会社がいるし、今は問題なさそうだから安心だ」とも考えられがちです。
しかし、分譲マンションは、どのような区分所有者がいるのか、区分所有者による管理組合にどのような意識・能力があるのかによって、将来にわたって建物の維持管理が適切に行われるかどうかが未知数という、極めて不安定な仕組みで成り立っていることも確認しておく必要があります。

高級マンション
超高級マンションについては、一般のマンションに比べて、建物の上層階、中層階、下層階で、購入する所得階層が分かれていたり、世代、家族構成が多様なため、管理組合が様々な事情を抱えた区分所得者同士の合意形成を行い、将来にわたってマンションの維持管理を行うことが果たしてできるのか、専門家の間でも疑問視する声が多いのです。
そして、マンションの維持管理を管理会社に丸投げすると、ずさんな管理や場当たり的な修繕をされたり、新築時に分譲会社が設定した修繕積立金だけでは大規模修繕ができなくなると、資産価値が大幅に下落したり、最悪の場合、管理不全状態に陥る危険性さえ懸念されています。

もし、超高層マンション1棟全てが賃貸住宅の場合には、所有者は企業などであることが多いため、事業者が自分たちの資産価値の維持や収益確保を目的として、建物等の維持管理をきちんと行うことが多く、たとえ複数の企業間の合意形成が必要な場合でも、住民同士の場合に比べると、ハードルはそこまで高くない場合が多いでしょう。

しかし、分譲の超高層マンションでは、1棟500~1500戸もの住戸数があることから、区分所有者が大量にいるというだけではなく、居住用か投資用かといった取得目的や区分所有者の所得階層・世代・家族構成・国籍が多様であるが故に、合意形成が極めて難しくなってしまうのです。

特に、大規模修繕などで修繕積立金が不足したり、災害などで突発的に修繕が必要となった場合、修繕すべき内容や各住戸が支出すべき金額について合意形成ができないと、一気に管理不全状態に陥り、不良ストック化の道をたどる危険性も考えられるのです。
多額の管理費

加えて、最終的に超高層マンションの寿命が尽きたときに、区分所有権を解消して解体するという合意形成が出来るのか、その際の解体費用が捻出できるのかなど、一般的なマンションですら解決できていない分譲マンションの終末期問題が、超高層マンションではさらに大きくなってどうしようもなくなることも懸念されます。

お持ちの物件をうまく活用したい、物件の将来的価値はどうなるのか等でお悩みの方は一度、エーアンドシーキャピタルにご相談ください。

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